さとうきびから砂糖になるまでに
様々な工程があります。
皆さんは野菜や果物を食べたときに「甘い」と感じられると思います。この「甘さ」は野菜や果物に含まれている、主にショ糖などの糖分を味わっています。
糖は植物が自らの栄養源として、光合成によって作られます。
砂糖の原料
さとうきび(甘庶)、甜菜(ビート)、サトウカエデ、サトウヤシなどの植物から砂糖は作られます。栽培適地が広く大量生産ができること、砂糖の主成分であるショ糖を効率的に抽出できることから、「サトウキビ」や「サトウダイコン」が主な原料となっています。日本で消費される砂糖のうち60%はさとうきび由来の原料を使用しています。
「サトウキビ」はインド原産のイネ科の多年草で、温暖なブラジルやタイ、オーストラリアで栽培されています。日本では沖縄や鹿児島など温かい地域で作られています。
一方「サトウダイコン」は地中海沿岸が原産のアカザ科の2年生植物で、ホウレンソウの仲間になります。サトウキビと異なり寒冷地でも育つことから、ヨーロッパを中心として栽培されており、日本では北海道で主に生産されています。
タイで生産されているパームシュガーは「サトウヤシ」から作られています。カナダでは「サトウカエデ」からメイプルシュガーが作られており、国旗や金貨にもサトウカエデの葉がデザインに使われるほど盛んです。
このように世界各地では様々な植物から砂糖が作られていますが、ここでは代表的な砂糖の原料である、「サトウキビ」の栽培・収穫についてご紹介します。
さとうきびの栽培・収穫
栽培
さとうきびの栽培には挿し木植えと株出しの2種類があります。
挿し木植えはさとうきびの枝を畑に挿し、植え付けることで発芽させます。植付を行う時期により、春植えと夏植えがあります。夏植えの方が栽培時間の長い分、収量が多くなります。
- 春植え
- 夏植え
株出しは収穫後のさとうきびの苗から発芽させ育てる方法で、新たな植付を行わなくても次年度に収穫することができます。通常2~3年株出しにて収穫することができます。
株出しは収穫後のさとうきびの苗から発芽させ育てる方法で、新たな植付を行わなくても次年度に収穫することができます。
通常2~3年株出しにて収穫することができます。
収穫
さとうきびは気温が低下することで、成長が緩やかになり茎中の糖分が増加します。収穫は1月頃から始まり、4月頃まで続きます。
ハーベスターという機械で30センチほどの長さに切断し収穫していく方法と1本1本手刈りで収穫する方法があります。
さとうきびは刈り取った後時間とともに糖分が変化して品質の低下を招いてしまいますので、刈り取ったあとすぐに製糖工程にうつすことが大切です。
品質確認
製糖工場に搬入されたさとうきびは、品質検査と重量測定を行います。
代表的な調査項目は下記5項目です。
- ブリックス(搾汁液中の可溶性固形物の割合。糖類の他に灰分やカルシウム等の栄養成分も含まれる)
- 糖度(搾汁液中の糖分の割合)
- 還元糖率(砂糖が分解されると増える) 還元糖とは?
- pH(品質劣化を防ぐため中性が理想)
- 色価(製品の色に大きく関わる)