砂糖にはいろいろな種類があり、種類によって味わいが異なります。
グラニュー糖と素焚糖、赤糖、加工黒糖の味わいの違いを科学的に比較していきましょう。
甘味度と呈味時間
甘みの度合い(甘味度)と甘みを感じる時間の長さ(呈味時間)は砂糖の味わいに大きく関わっています。
グラニュー糖と素焚糖、赤糖、加工黒糖の4種類の砂糖で比較したところ、グラニュー糖は甘味度が高く、呈味時間が短い特徴があり、ストレートな甘みを表れています。
素焚糖をはじめとする含蜜糖はグラニュー糖と比較すると甘味度は低いですが呈味時間は長く、余韻のある味わいであることが表れています。
味覚チャート
砂糖の味わいは甘さだけに由来するのではなく、色々な渋味や酸味などが合わさって独特の味わいとして感じることができます。
口に入れたときに感じる「先味」と余韻として感じる「後味」の2種類に大別できる、味覚の要素9項目に関して味覚チャートで比較すると砂糖の種類による味の違いが明らかです。
- グラニュー糖はキレがありすっきりとした強い甘さで、構成する要素が少ないのが特徴。
- 素焚糖はまろやかさやボディ感がやや強く、すっきりとした後味。先味と後味のバランスがよく、調和がとれている。
- 赤糖は渋味が少なく、まろやかさやコクが先立ち、余韻も長め。
- 加工黒糖は構成する要素がもっとも多く、まろやかさやミネラル感が強く、後味の余韻が長く厚みがある。
栄養成分
味わいの違いは栄養成分の違いとして数値にあらわれます。
素焚糖をはじめとする含蜜糖はグラニュー糖と比較してミネラルを多く含んでいます。グラニュー糖はミネラルが微量しか含まれていないのに対して、含蜜糖はカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなど多岐にわたるミネラルが含まれています。
栄養学的にも含蜜糖のミネラルバランスが優れていることは定評があり、このミネラルバランスの良さが体内に取り込まれたときに、ほっとする味わいにつながっています。
また、さとうきびの絞り汁に含まれている栄養素がそのまま凝縮されている点が、近年の自然食・健康食ブームで注目されています。
栄養成分表(100gあたり)
グラニュー糖 | 素焚糖 | 赤糖 | 加工黒糖 | |
---|---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 387 | 383 | 387 | 385 |
タンパク質(g) | 0 | 0.3 | 0.3 | 0.6 |
脂質(g) | 0 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
炭水化物(mg) | 100 | 97.9 | 96.4 | 95.6 |
ナトリウム(mg) | Tr | 77.1 | 98.8 | 122 |
カリウム(mg) | Tr | 212 | 276 | 464 |
カルシウム(mg) | Tr | 39.8 | 63.6 | 77.6 |
マグネシウム(mg) | 0 | 14.8 | 36.2 | 33.8 |
リン(mg) | 0 | 4.7 | 4.4 | 8.2 |
鉄(mg) | Tr | 0.48 | 1.09 | 1.73 |
亜鉛(mg) | Tr | 0.06 | 0.07 | 0.15 |
銅(mg) | 0 | 0.02 | 0.08 | 0.07 |
マンガン(mg) | 0 | 0.15 | 0.25 | 0.33 |
※グラニュー糖は日本食品標準成分表2015追補2016より抜粋
※素焚糖、赤糖、加工黒糖は当社調べ
※Trは微量の意